栄養・食事
適正エネルギー(kcal)を知ろう
最終更新 / 2024.09.17
目次
適正エネルギー(kcal)を知ろう
体重やBMIの増減は、エネルギー摂取量とエネルギー消費量のバランスが崩れることが原因です。
食べすぎや運動不足によって体重が増えるとき、エネルギー摂取量がエネルギー消費量よりも多い状態になっています。
逆に、食事制限や激しい運動などでエネルギー消費量のほうが多くなり、エネルギー摂取量がエネルギー消費量よりも少なくなると、体重が減少していきます。
エネルギー消費量とエネルギー摂取量のバランスがとれていると、体重の変動がなく過不足ない状態となります。
つまり、エネルギー消費量と同じだけのエネルギー摂取量が今の体型を維持するための適正なエネルギー量となります。
ポイント
必要エネルギーの過不足は、体重の変動でわかります。
体重に変動がなければ・・・
消費量 = 摂取量
体重が増加していたら・・・
消費量 < 摂取量
体重が減少していたら・・・
消費量 > 消費量
人は、常にエネルギーを消費しながら心臓を動かし、呼吸をして生命活動を維持しています。
この何もしていなくても消費する生命活動に必要なエネルギーを基礎代謝量といい、それに加えて歩く・走るなどの身体活動によって消費する身体活動エネルギーと、食後に栄養素を消化・吸収するために消費するエネルギー(食事誘発性熱産生)の3つの消費エネルギーをトータルしたものが、エネルギー消費量となります。
エネルギー摂取量は、食事から摂取するカロリー(Kcal)のことです。
人が体内でエネルギーとして使用できる栄養素は、炭水化物、たんぱく質、脂質の3つです。
エネルギー必要量(Kcal/日)は、体重1kg当たりの推定エネルギー必要量×標準体重(kg)で求めることができます。
体重1kg当たりの推定エネルギー必要量
性別 | 男性 | 女性 | ||||
身体活動レベル | 低い | 普通 | 高い | 低い | 普通 | 高い |
1~2歳 | 82.4 | 80.6 | ||||
3~5歳 | 79.5 | 75.7 | ||||
6~7歳 | 59.8 | 68.7 | 77.5 | 56.6 | 64.9 | 73.3 |
8~9歳 | 57.1 | 65.3 | 73.4 | 53.6 | 61.3 | 68.9 |
10~11歳 | 54.2 | 61.7 | 69.2 | 50.5 | 57.4 | 64.4 |
12~14歳 | 46.5 | 52.7 | 58.9 | 44.4 | 50.3 | 56.2 |
15~17歳 | 41.9 | 47.3 | 52.7 | 39.2 | 44.3 | 49.3 |
18~29歳 | 35.6 | 41.5 | 47.4 | 33.2 | 38.7 | 44.2 |
30~49歳 | 33.8 | 39.4 | 45.0 | 32.9 | 38.3 | 43.8 |
50~64歳 | 32.7 | 38.2 | 43.6 | 31.1 | 36.2 | 41.4 |
65~74歳 | 32.4 | 36.7 | 41.0 | 31.1 | 35.2 | 39.3 |
75歳以上 | 30.1 | 36.6 | 29.0 | 35.2 |
ポイント
推定エネルギー必要量(kcal/日)=1kg当たりの推定エネルギー必要量(Kcal/kg/日)×体重(kg)
1kg当たりの推定エネルギー必要量は、「性別・年齢・身体活動レベル」から自分に適しているものを選択しましょう。
現在の体重(kg)で計算すると、今の体格を維持するために必要なエネルギー(Kcal)を算出することができます。
身体活動レベルは、1日あたりの総エネルギー消費量を基礎代謝量で割った指標で、日常生活や運動などの活動量に応じて3つの段階に分けられます。
身体活動レベル | 低い | 普通 | 高い |
基準値 | 1.5(1.40~1.60) | 1.75(1.60~1.90) | 2.00(1.90~2.20) |
日常生活の内容 | 生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合 | 座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、通勤、買い物での歩行、家事、軽いスポーツ、のいずれかを含む場合 | 移動や立位の多い仕事への従事者、あるいは、スポーツ等余暇における活発な運動習慣を持っている場合 |
BMI(Body Mass Index)は、体格を表す指標で、体重(kg)÷身長2 (m)で計算することができます。
例えば170cm、70kgの場合、70÷(1.70)2=24.2となります。
目標とするBMIは、年齢によって以下の範囲になります。
年齢 | 目標とするBMI(kg/m2) |
18~49歳 | 18.5~24.9 |
50~64歳 | 20.0~24.9 |
65~74歳 | 21.5~24.9 |
75歳以上 | 21.5~24.9 |
痩せすぎも、太りすぎも死亡リスクが高くなることがわかっており、総死亡率をできるだけ低く抑えられる範囲を基本として設定されました。
ポイント
BMIが目標の範囲内であれば、現在の体重を維持していきましょう。
BMIが範囲より外れている場合は、範囲内のBMIを目指しましょう。
目標とするBMIの体重は、目標体重kg=目標BMI×(身長mm)2
で計算することができます。
① 年齢、性別、身体活動レベルに応じて『体重1kg当たりの推定エネルギー必要量』を選択します。
② 『体重kg÷(身長mm)2』で自分のBMIを計算してみましょう。
③ BMIが範囲内の人は、『体重1kg当たりの推定エネルギー必要量×現体重kg』で推定エネルギー必要量kcalが計算できます。
④ BMIが範囲外の人は、『目標BMI×(身長mm)2』であなたが目標とする体重を算出しましょう。
『体重1kg当たりの推定エネルギー必要量×目標体重kg』で推定エネルギー必要量kcalが計算できます。
ポイント
推定エネルギー必要量は、人により±200kcal程度の誤差があります。
毎日そのエネルギー量を厳守する必要はなく、平均で適正なエネルギー量を摂取するように考え、目安として把握しておきましょう。
痩せたい、太りたい、などの目標がある方は目標体重での適正エネルギー量を目指してみましょう。
・日本人の食事摂取基準2025年版