栄養・食事

ヨガとアロマ

どこでもだれでも

ジムに行って集団でやるイメージのヨガ、女性が部屋を花の香りで満たすイメージのアロマ。どちらもリラクゼーションや健康増進を目的とした自然療法の側面を持っています。実は性別を問わずに一人でも、どこででもできる健康法です。お家でやれば、特別な道具もウエアも必要なく、空いた時間に隙間でできるお財布にも時間的にも無理なく続けられます。

ホリスティックセラピー

近代西洋医学と補完代替療法や伝統医学等とを組み合わせて行う療法を統合医療といいます。統合医療は、病気を治す西洋医学だけでは足りない部分を他の方法で、全人的(ホリスティック)にアプロ―チし、からだを整えることを目指します。ライフスタイルの改善や自然治癒力の向上により、病気の予防や健康増進につながると期待されています。

ヨガってなあに?

インド発祥の伝統的な実践法で、瞑想を主として呼吸法やポーズを組み合わせて、身体の柔軟性や筋力の向上、姿勢の改善、心を落ち着かせるなどの効果があります。

姿勢が変わる

ヨガのポーズはなんと8400万種類もあると言われています。「これは無理でしょ!」というポーズもありますが、日常的に行うポーズは、縮がちな筋肉を伸ばしたり、関節の可動域を広げたり、筋力を高めるなどの効果があり、からだつきや動きがしなやかになります。年齢を重ねると、前に曲がり気味になります。筋肉をしなやかにしていつまでも真っ直ぐな姿勢を維持しましょう。

細胞が変わる

ヨガは腹式呼吸を意識しながら行います。主に3パターンの呼吸法があります。

腹式呼吸

1.楽な姿勢で座るか、仰向けで片手をお腹に置きます。
2.鼻からゆっくり息を吸い、お腹が膨らむのを感じます。
3.鼻からゆっくり息を吐き、お腹が引き締まるのを意識します。
4.リズムを保ちながら数分間繰り返します。

<効果>

リラックスができ、ストレスを軽減します。

呼吸が深まることで、酸素を多く取り込みます。

完全呼吸

1.楽な姿勢で座り、肩や体をリラックスさせます。
2.鼻から息を吸い、お腹⇒胸⇒鎖骨と順番に膨らませるように深く吸い込みます。
3.鎖骨⇒胸⇒お腹と逆順にゆっくり息を吐きます。
4.リズムに意識を集中し、数分間繰り返します。
<効果>

全身に酸素をしっかり届け、からだを活性化させます。

心を落ち着かせ、集中力を高めます。

頭を清める呼吸

1.背筋を伸ばして座り、リラックスします。
2.鼻から短く強く息を吐き、お腹を引き締めます。吸うときは自然に空気が入るだけで構いません。
3.息を吐くときだけに意識を向け、短いリズムで繰り返します。
4.30回ほど繰り返したら、ゆっくりと自然呼吸に戻し、心を静めます。
<効果>
体内のエネルギーを活性化させ、集中力を増します。
呼吸筋が鍛えられることで、内臓のマッサージにもつながります。

ストレスを抱えていると呼吸が浅くなり、取り入れる酸素の量が少なくなります。からだの中で出た二酸化炭素を思いっきり排泄し、酸素をめいっぱい取り入れることで酸素を十分に供給し細胞の代謝や再生が促されます。細胞に十分に酸素が届くと、ミトコンドリアの活動が活発になり、エネルギー産生が効率よく行われるようになります。他にもストレスによる細胞へのダメージを減らし、老化の抑制や免疫機能の改善も期待されています。

気持ちが変わる

ヨガは心拍数が安定しストレスホルモンの分泌が抑えられるため、ストレスの多い社会生活において、忙しさや緊張や不安から解放される時間を提供します。呼吸や瞑想を通じて集中力を高め、自分自身と向き合い、発言や行動を見直すことでこころの落ち着きやポジティブな気持ちをもたらし、気分を安定させます。不安や抑うつ症状がある場合、その原因は何かを静かに考えることで、解決策が見いだせることもあります。精神的健康、ストレスに関する心理的指標の改善について、いくつかの研究で改善が見られています。また、幸福ホルモンや心の安定に関するホルモンの分泌が促され幸福感が高まると言われています。

アロマセラピーってなあに?

都会に住んでいると、植物に触れることが少なくなります。植物から抽出された精油を使って、香を通じて心身に働きかける自然療法です。香は嗅神経を介して脳に伝わり、特に感情や記憶を司る部分を刺激します。疲れたときに自然と触れ合いたくなるのは、花の香、山の香、海の香などには人を癒す力があるからかもしれません。

何が変わる

アロマテラピーは香を使い分けることでリラックスだけでなく、リフレッシュや集中力の向上など様々な効果が期待できます。精油は花や樹木、果物などから採取されます。森林浴や自然と触れ合うことと同じような状況を作り出してくれます。

花の精油は心を穏やかにし、樹木の精油は免疫力の強化や風邪などの予防(呼吸器系)に期待されます。果物の精油は食欲を抑え、ストレスの緩和にも役立ちます。

使い方

精油は色々な使い方があります。簡単に使える順番で紹介します。

  • ディフューザーやアロマポットで部屋全体に香を満たす
  • 浴槽に数滴たらしてからお湯を張り、浴室全体に香を満たす
  • ハンカチやティシューに垂らして携帯して、必要な時に香を吸い込む
  • お湯を張った洗面器に精油を数滴たらし、蒸気を吸い込む
  • スプレーボトルに水と数滴の精油を加えて、部屋やリネンにスプレーする
  • キャリアオイル(ホホバオイル)に数滴混ぜて、マッサージオイルとして使う

既に使いやすい形で、用途に合わせてブレンドされたアロマ商品が販売されているため、自分に合う形で採り入れてみてください。

おすすめ3選

精油の香を部屋に満たしてヨガを行うことで、自律神経が整えられてリラックス効果が高まります。ここでは、ヨガとの組み合わせにおすすめのオイルを紹介します。

ペパーミント

気分をリフレッシュさせて、活力が湧き出て集中力を高めます。朝陽を浴びながらの深呼吸に。

ベルガモット

気持ちを前向きにし、落ち込んだ気持ちを明るくします。プレゼン前の深呼吸に。

ラベンダー

心を穏やかにし、ストレスを軽減させます。寝る前の深呼吸に。

精油には、アレルゲンとなるものもあります。花粉症や食物アレルギーを事前に把握しておきましょう。

ポイント

ヨガもアロマも特別なものではなく、日常生活に取り組める自然療法です。ヨガの深呼吸でアロマを吸い込むことから始めましょう。

参考文献

・厚生労働省 eJIM ヨガ、アロマセラピー、統合医療
・統合医療に対する厚生労働省の取り組みについて
・一般社団法人 日本統合医療学会