栄養・食事
「食事の仕方」で健康へ!
最終更新 / 2024.11.08
食事は内容や量、カロリーや栄養素、などのいろいろな要因がありますが、何を食べるかだけでなく、いつ、どのように食べるか、によっても私たちの健康に関与しています。
今回は「食べ方」や「時間帯」「タイミング」に注目して、健康になる食事の仕方についてご紹介します。
目次
1日3食を食べる
欠食があると、1日に必要な栄養素を摂取することが難しいことがわかっています。
栄養素を過不足なく摂取するためには、朝・昼・夕の3食をきちんと食べることが基本となります。
1日3食にすることで、食事の影響が大きい血糖値が急激に上昇するのを防ぐことができます。
長時間の絶食後の食事では、血糖値が急激に上がりやすく、食後高血糖を引き起こしやすくなります。
1日3食にすることで長時間の絶食期間が少なくなります。それにより空腹感が減り、ドカ食いやまとめ食いを防ぐことができます。
朝食を食べると、体内時計がリセットされ朝型の生活リズムに整えてくれる働きがあります。
食事により分泌されたインスリンによって、体内時計をリセットする効果が高まります。
これにより体重増加や糖尿病の予防にもつながります。
ポイント
1日3食にすることで、生活リズムを整えましょう。
そして過不足なく必要なエネルギーと栄養素を摂りましょう。
「食べ方」を変えるだけ
早食いの人は肥満が多いことがわかっています。早食いは、満腹感を感じるまでに食べ過ぎてしまいます。
食べ物が体内に入ってから胃や腸で消化されて、脳へ満腹を知らせるまで30分程度かかります。
できるかぎり時間をかけて食事をとるようにしてみましょう。
口の中にいれてから咀嚼をする時間が長くなることで、食事によって体内で発生する消費エネルギー量(食事誘発性熱産生)が増加することがわかっています。
よく噛むことによって消費エネルギーが増えるので、肥満の予防につながります。
野菜を最初に食べる「ベジファースト」は、食物繊維の力で血糖の上昇を抑え、脂肪の吸収を抑えてくれるので、糖尿病や肥満に効果があります。
①食物繊維の豊富な野菜やきのこ、海藻(副菜)
②たんぱく質を含む肉や魚、大豆製品(主菜)
③炭水化物が多い米やパン、麺(主食)
の順で食べるといいでしょう。
野菜の摂取時間を長めにとり、すこし時間をあけてからたんぱく質を食べ、最後に炭水化物を食べるとより効果的です。
ポイント
食べ方を変えるだけで食べ過ぎや肥満を予防する効果があります。
1回の食事に30分程度かけて食べましょう。
ゆっくり味わいながらよく噛んで食べてみましょう。
①野菜やきのこ→②肉や魚→③米やパンの順番で食べるベジファーストがおすすめです。
「時間帯」を考えよう
朝食のタイミングが8時半より前だと、体重減少やインスリン感受性の向上などの効果が高いことがかわっています。
8時半以降でも、なるべく早いタイミングで朝食をとりましょう。
遅い時間の夕食は、エネルギー消費が減少して、脂肪の蓄積を促進します。
遅い時間の食事は、ホルモンの影響により空腹感が増大して、食べたい欲求が高まることがわかっています。
エネルギー消費が少なくなるのに食欲求は高まり、食べてしまうことで食べ過ぎや肥満につながります。
夕食が夜遅くになってしまう人は、夕方の早めの時間に主食(ごはん、パンなど)の炭水化物を食べて、夕食に主菜・副菜(おかず)を食べる「分食」がおすすめです。
早い時間に炭水化物を食べることで、空腹感が少なくなり、夕食の食べ過ぎを防止することができます。
いつ、何を食べるタイミング?
菊芋にはイヌリンという食物繊維が多く含まれており、朝に食べることで便通の改善効果があります。
また、朝食に菊芋を食べると、朝食だけでなく昼食と夕食の血糖上昇も緩やかになることがわかっています。
食物繊維を多く含む食品でも同じ効果が得られるでしょう。
朝食にたんぱく質の摂取量が多い人は、フレイルになりにくいことがわかっており、これは、朝にたんぱく質を食べることにより筋たんぱく質の合成が高くなるからです。
フレイル予防だけでなく、筋肉を増やしたい人にも朝にたんぱく質を食べると効果的です。
間食(おやつ)には、食物繊維の多いものを食べると、夕食の血糖上昇を緩やかする効果があります。
なるべく食物繊維の多いものを選んでみましょう。
果物やさつまいもやかぼちゃを使ったお菓子、シリアルなどで食物繊維が含まれているものがおすすめです。
ポイント
朝食に食物繊維やたんぱく質などの栄養素を含んだものを食べることで、病気の予防だけはなく体の基本となる筋肉作りにも影響します。
食事の内容を変えるよりも手軽に取り組める食事法ですので、ぜひ試してみてください。
・浜田裕之 林暢.咀嚼は食後食事誘発性熱産生を増加させるSci Rep 11、23714 2021年
・柴田重信 「時間栄養学」 化学同人 2020年
・齋藤 宥希ほか 食べる順番の違いが血糖指標に与える影響~主菜を最初に食べた場合~:無作為化比較クロスオーバー試験 食物学会誌・第76号 2021年