栄養・食事

おやつ(間食)について考えよう

おやつ(間食)とは、朝食・昼食・夕食以外に摂取するエネルギー源となる食べ物と飲み物のことです。

おやつは、栄養補給だけではなく、リフレッシュや気分転換になり心に栄養を与えてくれます。 ただし、食べ方や量によっては肥満や生活習慣を乱す原因になる可能性がありますので気を付けたいところです。

おやつのカロリーを知ろう

1日の食事で摂取したエネルギー量(カロリー)が消費エネルギーよりも多くなると、カロリーオーバーとなり肥満の原因になってしまいます。

おやつのカロリーも含めて1日の食事のエネルギー量を考えるようにしてみましょう。 おやつのカロリーは200kcal以下にするといいでしょう。

カロリーが高いおやつには、脂質と糖質が多く含まれています。

脂質の多いおやつ

脂質は、1g当たり9Kcalのエネルギーになるため高カロリーなものが多く、また他の栄養素よりも体に蓄えやすい性質があるため、食べ過ぎると肥満の原因となります。

特に市販のおやつに使用されているバターやマーガリン、生クリーム、揚げ油が使用されているおやつに多く含まれており、クッキー、ケーキ、ドーナツなどの洋菓子やポテトチップスなどのスナック菓子、おかき、チョコレートなどがあげられます。

コレステロール値に注意が必要な方は、控えるようにしましょう。

糖質の多いおやつ

糖質は、脳や体のエネルギー源として使用される必要不可欠な栄養素ですが、必要以上に食べてしまうと余分な糖は中性脂肪として体内に蓄積されていき、肥満の原因となります。

糖質は、米や小麦粉、いも、小豆、砂糖が使用されているおやつに多く含まれており、おせんべいやクッキー、パン、ケーキ、ポテトチップスなどがあげられます。

血糖値やHbA1cに注意が必要な方は、控えるようにしましょう。

おやつを買うときは確認しよう

栄養成分表示と原材料名を確認してみましょう。

栄養成分表示

エネルギー、糖質、脂質を確認することでおやつの摂取量を把握することができます。
栄養成分表示は、「100g当たり」「1個当たり」「○○ml当たり」などの単位が記載されていますので、内容量が何gか、実際に食べるカロリーや糖質、脂質を把握しましょう。

食品表示

同じおやつでも使用している原材料によって栄養素も異なってくるので、原材料を確認してみましょう。

原材料名は、含まれている量が多い順に記載されています。

下記の例では、同じまんじゅうでも先頭が砂糖と小豆で違いがあります。

砂糖よりも小豆が多いほうがよさそう、くらいは読み取れると思います。
実際に小豆は食物繊維やカリウムが含まれており、砂糖よりも栄養素が豊富です。

ポイント

内容量を確認してみましょう。
栄養成分表示をみて、エネルギー、脂質、糖質の量を確認して、食べる量を調節してみましょう。
原材料は、含まれている量が多い順に記載されているので、おやつを選ぶときの基準の一つにしてみましょう。

おすすめのおやつは?

糖質、脂質のほかに、ビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素が摂れるおやつがおすすめです。

果物

果物は、果糖という糖質が主な栄養素ですが、そのほかにビタミンやミネラル、食物繊維が多く含まれています。さらに、抗酸化作用を持つポリフェノールやカロテノイドなどの生理活性物質が豊富で、身体にいい効果をもたらします。

ドライフルーツ

果物に砂糖やはちみつなどの甘味料を加えて乾燥させたものです。果物と同様の栄養素が含まれていますが、水溶性のビタミンは少なく、また甘味料が添加されている分糖質が多くなっています。
乾燥により水分が抜けているため、果物と同じ量(g)を食べてしまうと糖質過多や高カロリーになってしまいますので注意が必要です。
洋菓子やスナック菓子などをおやつにしている方は、代わりにドライフルーツにするのはアリだと思います。

ナッツ類

アーモンドやくるみ、カシューナッツ、ピスタチオ、マカダミアナッツ、落花生などのナッツ類は、人が体内で作れない必須脂肪酸のリノール酸を多く含み、さらに食物繊維やビタミンEやナイアシンなどのビタミン類、カリウムやマグネシウム、亜鉛などのミネラル類などの栄養素が豊富な食品です。
体に必要な脂質と言えど、食べ過ぎは脂質とカロリー過多になる可能性がありますので、10~20粒くらいにしておきましょう。また、砂糖や塩、油が添加されているものではなく、素焼きのものを選ぶといいでしょう。

ヨーグルト・チーズなどの乳製品

ヨーグルトやチーズは、カルシウムやたんぱく質が豊富です。乳酸菌の働きで腸内環境を整えてくれます。脂質が気になる人は、低脂肪や無脂肪のヨーグルトを選びましょう。
チーズには塩分が含まれているので、高血圧の方は少し注意が必要です。

干し芋・ふかし芋

さつまいもは、糖質が多く食物繊維やカリウムが豊富に含まれています。自然な甘さがあるので、甘いものを食べたい人にはおすすめです。干し芋は噛み応えがあり、よく噛んで食べることで満腹感も得られます。
糖質が多いため、血糖値が気になる方は、食べる量を調整してください。干し芋なら50~60g、ふかし芋なら100~140gで大体200kcalになります。

昆布やわかめ

カロリーの低さを重視したいときは、おつまみ昆布や茎わかめなどがいいでしょう。
わかめや昆布などの海藻類には、食物繊維やナトリウム、カリウム、ヨウ素などのミネラル類が豊富です。
ただし、塩分が多いので、血圧が気になる方や減塩に取り組んでいる方にはおすすめできません。

ポイント

おやつは、なるべく自然な甘みのある食べ物で、食事で不足しがちな栄養素の補給ができるものを選びましょう。
食べ過ぎにも気を付けて、200kcal以下のものを選びましょう。

食べるタイミングを考えよう

寝る前、夜食はやめよう

寝る前や夜遅い時間帯に食べてしまうと、寝ている間はエネルギー消費が少なくなるため、脂肪として蓄えやすくなってしまいます。食べるのは寝る4時間前までがいいでしょう。

夕食が遅くなってしまったとき

夕食が遅くなってしまうときには、糖質の多い間食(おやつ)を食べておくといいでしょう。このときの夕食は、おやつで食べた糖質を抜いたものにしましょう。分けて食べることによって、長時間の絶食状態を防ぎ、食後の高血糖を予防することができます。

ポイント

おやつは、食べてはいけないわけではありません。我慢はストレスの原因になります。
量や内容を工夫して、食べ過ぎや栄養バランスの偏りに気を付けて選ぶようにしてみましょう。

参考文献

・厚生労働省e-ヘルスネット

・果物と健康FACTBOOK
・日本食品成分表2020