栄養・食事
ダイエットには朝ごはんから
最終更新 / 2024.09.17
ダイエットには朝ごはんから
「朝ごはんを食べましょう。」
健康にいい生活習慣として、誰もが一度は聞いたことがあると思います。
なぜ朝ごはんがカラダにいいのか、カラダの中でどんないい作用をもたらすのか、朝ごはんのメリットについて説明します。
あなたも明日から朝ごはんを食べたくなるはずです。
1日の合計が同じカロリーの食事を食べたとき、朝食に食べる割合を多くしたほうが太らなかったという研究結果があります。
これは、食後に体内で消化・吸収に使用される消費エネルギー(食事性誘発性熱産生)が、朝食後のほうが高く、長い時間維持されるからです。
食事誘発性熱産生は、食事内容によっても多少変化がありますが、1日のエネルギー消費量の約10%を占めると言われています。
朝はこれから活動が増えるので、おのずとエネルギーを消費することになります。
夜は寝るだけなので活動量も少なくなり、エネルギーを消費せずに蓄えてしまいます。
同じ食事量でも、朝にたくさん食べて夕食を少なくすれば、ダイエットにつながると言えます。
朝食に食物繊維を含んだ食事をとると、朝食時だけではなくその次の食事(昼食)の血糖上昇も抑えることができます。
これは「セカンドミール効果」と言い、最初にとる食事(ファーストミール)が次にとった食事(セカンドミール)の後の血糖値にも影響を及ぼす概念です。
長時間絶食後の食事は、血糖値を急激に上昇する血糖値スパイクを引き起こし、糖尿病の発症リスクや動脈硬化を亢進させる原因にもなります。
朝食欠食は、睡眠時間も含めると絶食時間が長くなるため血糖値への影響が大きくなります。
人はは、24.5時間の周期をもつサーカディアンリズム(概日リズム)の体内時計を備えています。
1日は24時間なので、太陽の光を浴びることで脳にある中枢時計(主時計)が1日の生活リズムのずれをリセットしています。
臓器にもそれぞれ体内時計(副時計)が備わっており、光の刺激よりも食事によってリズム調節が行われ、消化・吸収・エネルギー消費などの生理機能に関わっています。
朝食を食べることで、臓器の体内時計が前にずれ、生活リズムと臓器の体内時計のずれを解消し、朝型にリセットする効果があります。
看護師などの交代制勤務の人は、体内時計のリズムが崩れやすく、メタボリックシンドローム、糖尿病、がんなどの生活習慣病のリスクが高いことがわかっています。これは生活リズムと、臓器の体内時計のリズムのずれによって体内の生理機能障害が引き起こされていると考えられています。
ポイント
脳の中枢時計と臓器の体内時計のずれが、病気のリスクになることがわかっています。
太陽の光を浴びて、朝ごはんを食べることで体内時計をリセットしましょう。
夜遅くに食べる夜食は、逆の作用があり体内時計を夜型に延ばしてしまうので注意が必要です。
朝ごはんを食べるだけで、肥満の解消や病気になるリスクを減らすことができます。
朝ごはんを食べて、健康な体になりましょう。
・Kuroda H, Tahara Y, Saito K, et al.: Meal frequency patterns determine the phase of mouse peripheral circadian clocks.Sci Rep 2012; 2: 711. doi: 10.1038/srep00711.